森喜朗に感謝

森喜朗が辞めた。彼のヤクワリについては小田嶋さんの記事が的確なのだが、

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これがきっかけで彼はほとんどの権力を実質的に手放すことになる。権威と権力という彼の主食がなくなってしまうのだから、つらいことだろう。本当はとても気配りのあるいい人という評判は多いのだが。余計だけれど、彼の日経私の履歴書は、読んでいて本当に抱腹ものだった。

今回の件で、女性や多様性への配慮がタテマエとしても確実に厳しくなっていくと思う。そういう意味で、ビフォー森とポスト森(ポストの反義語はなんだっけ)という、言われかたをするのではないか。時代の転換点をつくってくれたことには、結果的に感謝なのかもしれない。

そんな中、今日昼、五反田TOC裏に入った寿司屋で、奥の座敷で一列に並んだ二つのテーブルに6人6人、計12人でワイワイとランチをしていたグループがあった。40代以上で序列のありそうなサラリーマン男11名と、制服のような「事務やっている女性」1名、トイレ入り口すぐ脇の最も末席に位置、男は背広脱いでワイシャツの上にセーター着ているようなタイプが多い。ああ、価値の多様性のない典型的な集団ってやつだ(昔の自分をみているよう)。流石にこのコロナの中でこんなにガヤガヤと、しかも食べ終わっても15分くらいガヤガヤ、ずっとマスクもせず(笑)。

自粛警察の反対側に位置しているつもりだったが、とても気になってしまった。どうでもいいけれど。たぶんあの中の一番偉いさんが誘ったのだろう。領収書もらっていたし。本当は嫌で嫌でたまらなかったメンバーはいなかったのだろうか。ああ気になって夜も眠れない。

外に出ると、また気持ち悪いものを見てしまった

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基本的に地上波はCMすっ飛ばしてみるのだが、これやっていたなあ、というこのポスターが貼ってあった。メシから出たところの建物に。

桑田佳祐に背広着せて妻に優しいイケてる俺たち、というのが、この保険会社のイメージなんだろう。社員ご自身として。

こういう社風を忖度してCMとか提案していたような仕事してた。「作詞作曲も桑田さんです」なんていい企画。自分もクライアントの社史まで読んで社風を勉強してました。

いや、それにしても、一戸建てで専業主婦している奥さんにたまには花でも買って帰ろう、というセンスはすごい。多様性?なに言ってるんだ。そんなのどうでもいいじゃないか。

秋冬なのに陽のあるうちに帰るというのは、ワークライフバランス的に「とてもイマ風です」という提案なんだろう。昔だったら明るい玄関に帰ってくるというのはありえないから。

社員から恥ずかしいからやめてくれ、というクレームはおきないんだろうか。いや、そういう声はあげられないのだろう。どこかの組織委員会のように。女性もわきまえているだろうし。

こういうCMは大手広告代理店しか提案できません。

まだまだ大丈夫です。広告代理店。

いや、もう瀕死か。森さんとともに。

 

エマノンの店主は広告会社で20年くらい営業やってました)